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開幕まであと3か月!パラアスリートの勇姿を間近で 増田明美会長インタビュー

東アジア初開催。神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会の開幕まであと3か月。残り100日を切りまし
た。組織委員会の増田明美会長に、大会本番に向けた意気込みを聞きました。

 

―神戸での世界パラ陸上がいよいよ5月に迫ってきました。

パラリンピックが4年に一度。世界パラはその次に大きな大会です。東アジアでの開催は神戸が初めてで、選手たちは「母国開催の神戸で弾みをつけてパリパラリンピックに向かおう」とやる気いっぱいです。

2月7日。神戸市役所で開かれた大会100日前セレモニーでスピーチする増田会長

―神戸大会が観客を入れての開催になるのも大きいですね

2020東京大会、あの東京パラリンピックのときは残念ながらコロナ禍で無観客でしたが、今回は、特に子どもたちに、世界のトップアスリートに触れてもらいたいですね。
今、(大会のプレ企画として)こども記者が一生懸命取材に来てくれています。大会期間中もできるだけ小学生中学生また特別支援学校の皆さんなんかにも来ていただいて、会場には期間中におよそ3万人位に、足を運んでもらえるように準備進めています。

―注目の競技や選手をご紹介いただけますか

今回、約100か国・地域から1300人ぐらいが神戸に来る予定です。そのうち400人ぐらいが車いすの選手たちですね。
その中で、世界的に有名な選手が、走り幅跳びのマルクス=レーム選手(ドイツ)です。走り幅跳びで、8m72、跳んじゃうんです。オリンピックの(健常者の)世界記録が8m95ですから、もう遜色ないですよね。レーム選手はこの健常者の記録を目指すというような選手です。本当にスター性がありますし、人柄もよく、サインを頼まれると最後の一人まで並んでサインするような人です。

パラリンピックの陸上男子走り幅跳び3連覇中のマルクス・レーム選手。人類初の9mジャンプを目指す。

日本選手だと実績No1は佐藤友祈選手。東京大会で車いすの400m、1500mで金メダルを取っています。また去年のパリの世界パラ陸上では福永凌太選手(24歳・当時)が視覚障がいのクラスの400mで金メダル、走り幅跳びでも銀メダルを取っています。日本でも若きスター選手が出てきました。

東京パラ2冠の佐藤友祈選手。神戸、そしてパリでの世界一を目指す。

パリでの世界パラ陸上(2023年7月)で初優勝を果たした福永凌太選手。 

―そうしたスター選手たちが躍動する姿を間近で見られるんですね

“パラリンピックの父”と言われるグットマン博士は「失ったものを数えるな。今あるものを最大限生かしましょう」という言葉を遺しています。パラアスリートたちはまさにこの言葉を座右の銘として日々練習しています。そういう選手たちの晴れ舞台を見ると伝わってくるものが必ずあるはずです。特に感受性が豊かな子どもたちに見てもらいたいですね。

―増田会長は折に触れて、阪神・淡路大震災を乗り越えた神戸で開催する意味を訴えておられますね。

おかげさまで、大会ボランティアも募集開始したら早くにね1500人が早くに手を上げていただきました。阪神・淡路大震災で被害を受けた神戸の方々は、みんなそれを乗り越えてるから、優しい人が多いと感じています。みんな一つになって、全力で支えていい大会にしますよっていう方が多いなと。私も会長としてやりがいを持っています。
だから選手たちには「私達ができるのは強くなることだからね」って声をかけています。
大会で活躍する選手がいないと、見に行こうってならないですから。みんなで強化を進めていこうとがんばっています。

―自分の我が町にこういう大会がある、パラアスリートがやってくる、となると身近になりますよね。選手とも街角で出会うかもしれないですし、神戸の街をあげて歓迎したいですね

海外勢に何が楽しみって聞くと、やっぱりね、神戸ビーフが一番ですね(笑)。
あとは街は綺麗で、海もあるし山もある。この安心感っていうのが、選手たちにとっても幸せみたいですよ。

―最後にメッセージをお願いします

神戸でみんなと一緒に楽しい時間を、2024の世界パラでは過ごしたいと思います。頑張って盛り上げて、私も、神戸ビーフいただきながら(笑)、エネルギッシュに行きますのでよろしくお願いします!

大会100日前セレモニーで、パラ選手やボランティア、久元喜造・神戸市長らとともにアピールする増田会長(写真中央)

<増田明美氏プロフィール>
1984年ロサンゼルスオリンピック女子マラソン日本代表。現在はスポーツジャーナリストとして執筆活動やマラソン中継の解説等で活躍。パラスポーツにも深くかかわっており、日本パラ陸上競技連盟の会長も務める。

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